最近では、ようやく多くの国で使われている「生産額ベース」の食料自給率も公表されるようになってきましたが
日本で低い低いと言われてる、他の国ではほとんど採用していない『カロリーベースの食料自給率』ですが、計算式をご覧になられた事はありますか?
小学校で分数をならっていれば、誰でも理解出来る計算式で、農水省が公表時ている平成26年度の計算式は以下
カロリーベース総合食料自給率(平成26年度)
=1人1日当たり国産供給熱量(947kcal)/ 1人1日当たり供給熱量(2,415kcal)
=39%
ところで、上の計算式で分母の1人1日当たりの供給熱量は、なぜ、2,415kcalも必要なのでしょう?
子供老人、女性も含めて一日そんなカロリーを取ったら、ブクブクの肥満の成人病になっちゃいますが。
メディチェさんから、引用させて頂くと、一般的な成人に必要なカロリーは体を動かす仕事でない場合、男性で1,700kcal、女性は1,500kcalもあれば、足りる感じで、
成人の摂取カロリーは1,800~2,200kcalとされていますが、実際は性別や体格で基礎代謝量に差が出るため、あまり正確な数値ではありません。
例えば、日本人の平均身長である男性167.3cmと女性154.2cmをベースに考えてみましょう。この平均身長に対する標準体重を求めると、男性は61.6kg、女性は52.3kgです。
次にこの標準体重に「座っている時間が長い」を当てはめると、体重1kgあたりの25~30kcalをかけることになります。その結果、男性1,539~1,847kcal、女性1,307~1,569kcalと計算できます。
ここで出てきた1日に必要な摂取カロリーの中央値を基準値にするのであれば、男性は1,693kcal、女性は1,438kcalとなり、これが日本人に最低限必要な一般的な摂取カロリーとなります。
それに子供、老人を入れれば、多く見積もっても、活動的な方もいらっしゃるので、一人当たりに平均すると1,800kcalもあれば足りると言われてますが
それなのに、2,415kcalも供給したら,ブクブクの肥満の成人病になっちゃいますね。
それなのに、なぜ、2,415kcalも必要かというと、1,800万トンも食品を無駄に捨てちゃってるからだそうですが
そのような食料廃棄分まで必要量に入れたカロリーベースの食料自給率って、意味があるのでしょうかね?
しかも、
仮に、海上封鎖で日本が海外から食料を全く輸入出来なくなり、その上、異常気象でお米が一粒しか取れない状況に日本が追い込まれ、1億人全員餓死する状態になったとしたら、上の計算式で行くと
国産供給熱量(コメ一粒)/ 供給熱量(コメ1粒)
で食料自給率は、なんと100%になっちゃうんですよね。
国内向けにはカロリー自給率とかいいながら、
そのくせ、農産物の輸出の場合は
農業の高付加価値化推進とかいって、食料問題と言いますか、途上国の皆様の食卓のカロリーには何ら貢献しなさそうな高額の農産物を売りつけるような政策を良しとするような風潮があったりと
なんか、食料自給率って変な感じです。
主要国の食料自給率
- カロリーベース総合食料自給率
- 国民1人1日当たりの国内生産カロリー÷国民1人1日当たりの供給カロリー
- なお、国民1人1日当たりの供給カロリーとは国産供給カロリー+輸入供給カロリー+ロス廃棄カロリーの合計である。
- 生産額ベース総合食料自給率
- 生産額=価格×生産量で個別の品目の生産額を算出し、足し上げて一国の食料生産額を求める。
- 国内の食料総生産額÷国内で消費する食料の総生産額
国名 | カナダ | オーストラリア | フランス | アメリカ | ドイツ | イギリス | イタリア | スイス | 日本 |
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生産額ベース (2009年) | 121% | 128% | 83% | 92% | 70% | 58% | 80% | 70% | 70% |
カロリーベース (2011年) | 258% | 205% | 129% | 127% | 92% | 72% | 61% | 57% | 39% |